プチ観光–津山洋学資料館
今回のプチ観光は岡山北部にある津山市です。
津山は出雲街道の宿駅があったことから昔から栄えていました。
そして、桜で有名な津山城跡や東側で出雲街道沿いの古い街並みが
保存されている地区は、観光名所となっています。
今回紹介するのはその城東街並み保存地区にある津山洋学資料館です。
この美作地方(岡山県北東部の津山市を中心した地域)は、江戸時代後期から
明治初期にかけて、宇田川家や箕作家をはじめとした日本の近代化に貢献した
優秀な洋学者を輩出しており、その洋学者の功績が紹介されています。
入館料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料です。
常設展示として、『解体新書』の実物などの資料や津山藩にはじめて
蘭学をもたらした宇田川玄随(うたがわ げんずい)、
そしてその跡を継いだ玄真(げんしん)、
榕菴(ようあん)の業績を紹介しています。
また、ペリーが持参したアメリカ合衆国大統領の親書を翻訳し、
プチャーチンが長崎に来航した際に幕府の対ロシア交渉団に随行しました
箕作阮甫(みつくり げんぽ)の生涯と、その跡を継いだ省吾、秋坪を紹介しています。
さらに、資料館に隣接して箕作阮甫旧宅があり、
そこで、阮甫の家系や略歴などが紹介されています。
最後に、中国自動車道の院庄インターの近くに山田養蜂場の本社や研究所、
工場があります。
一般の人も山田みつばち農園でイチゴ狩りや、採蜜体験などができます。
また、ぶんぶんファクトリーでは蜂蜜や化粧品などのお土産も買うことができ、
カフェもあり蜂蜜入りのソフトクリームはとても美味しくものです。
津山に行った時には、ぜひ歴史、医学・化学の世界に接するとともに、
美味しい蜂蜜製品も堪能することをお勧めします。
(観光ビジネス研究会 岡村 善裕)
Q1 宇田川玄随らは何をした人なの?
A1 宇田川玄随は初め漢方医でしたが大槻玄沢や杉田玄白らについて蘭学を学びました。
そして、杉田玄白らが翻訳した『解体新書』が日本初の西洋外科書であるのに対し、
宇田川玄随らが翻訳した『西説内科撰要』は日本初の西洋内科書です。
また、宇田川榕菴は近代科学の確立に貢献した江戸時代最高の化学者であり、
日本初の本格的西洋植物学書『植学啓原』や日本初の本格的な化学書『舎密開宗』を著し、
近代科学の確立に大きな功績をあげました。
『舎密開宗』では私たちに馴染みのある細胞、水素、酸素、瓦斯(ガス)などの
多くの単語を造語しています。
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