夢千代日記の里 湯村温泉(兵庫県)

「湯村温泉」は、兵庫県北西部、日本海側の山陰地方に位置し鳥取県に接する地域で、南側は兵庫の屋根と呼ばれ、神鍋高原スキー場、氷ノ山スキー場、万場スキー場などの高原地帯のスキー場銀座が位置しています。


今からおよそ1150年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられている古湯であり、元湯は「荒湯」と呼ばれ98度の高温泉が毎分470リットルも湧出しています。 「荒湯」で温泉たまごを茹でる観光客の姿は、湯村温泉独特の風景をつくり出しています。


もう一つ、夢千代の里として知られている湯村温泉。NHKドラマ「夢千代日記」(1981~84年)は、広島で胎内被爆した温泉芸者の夢千代を吉永小百合さんが演じ、映画、舞台としても上演されました。


胎内被爆し、白血病であと3年の命と宣告された永井左千子(夢千代)が母の残した山陰の小さな温泉町の置屋(芸者や遊女を抱えている家のことで、料亭・待合・茶屋などの客の求めに応じて芸者や遊女を差し向ける小屋のこと)を女手ひとつで切り盛りする中で、彼女を取り巻く人間関係が多重に交差し、その人間模様を綴った病床日記を通じて物語は展開していくものです。


その時の舞台セットが、記念館として残されています。

吉永小百合さんの俳優としての印象がとても強く残る記念館です。

今では夢千代日記自体をご存じ無い方も多いと思います。平和に慣れた現代人には、思いもつかない悲しい物語であるといえましょう。


毎年広島に贈る千羽鶴を折ることができるコーナーや戦争の遺品展示、1年後に届く平和の手紙コーナーもありますので、一度は足を運んでもらいと思いました。


原作者の早坂暁氏は、訪問した一週間前の平成29年12月16日に逝去したとのことで、新聞にも報道されていました。早坂氏は、原爆への思いを静かに力強く表現し、核廃絶を訴えて精力的に講演活動なども行っていたとされます。



すぐ近くの杜氏館の隣に位置する地元観光協会では、芳名帳への記帳で故人を偲ぶ活動が行われていました。


ちなみに、杜氏館はご当地が杜氏を多く輩出していることから杜氏組合が運営する記念館であります。


当日は、宿泊客を対象にご当地の杜氏が関係する各地の新酒を味わうことができるイベントが開催されていました。観光客へのおもてなしとして、オリジナリティがあり、心に届く旅になりました。



湯村温泉から、鳥取方面に足をのばし1時間ほど車で移動した鳥取砂丘に隣接したところに砂の美術館があります。

自然が気の遠くなるような年月を経て作り出した造形美である「烏取砂丘」に、人の力で新たな造形美を創り出し、この地を訪れる人に今までにない感動と感激を与える「砂の美術館」が、2006年から開館しています。


砂の美術館は、「砂で世界旅行」を基本コンセプトとし、毎年テーマを変えて展示を行なっています。


会期が終われば、砂像はもとの砂にかえっていきます。限られた期間しか存在することができない砂像。その儚くも美しい造形を創り上げる為に、世界の砂像彫刻家は情熱を注ぎ込みます。


永遠に残らないがゆえの美しさが、砂像のもつ大きな魅力の一つなのです。出来上がった作品の精巧さや迫力はもちろんのこと、決まった場所に限られた期間しか存在できない砂像の持つストーリーを感じながら鑑賞すると、より砂像の魅力を感じると思います。


参考サイト:

https://www.town.shinonsen.hyogo.jp/page/index.php?mode=detail&page_id=6b2ac9bcb6fe63ed13fca1044e5c6f2c

http://www.sand-museum.jp/?page_id=68


(執筆 観光ビジネス研究会 福嶋康徳)

 https://www.kanmado.com/blank-22

トラベルちゃんの質問コーナー

Q1:湯村温泉なのに、なぜ地名が新温泉町なの

A1:新温泉町(しんおんせんちょう)は、兵庫県の北部に位置する町。美方郡に属します。

   但馬県民局の管轄地域で、2005年10月1日に浜坂町と温泉町が合併して発足しました。

観光レポート

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